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院長コラム

花粉症対策

2017/03/27

スギ花粉症の蔓延する季節になってきました。天気予報も積雪情報から花粉の散布情報に切り替わってきています。というわけで、花粉症に悩まされている患者さんたちはナーバスに反応するようになってきています。

ところが、スギの散布と花粉症の症状は必ずしも相関しているとは言えません。スギ花粉症と言うのは日本独自の疾患で、類似する英訳はhayfever(枯草熱)で、実態は似て非なるものです。従来、スギ花粉の最も被害があってもいいはずの杉林近辺では、ほとんど花粉症の症状の方は見受けられませんでした。不思議なことに、スギ花粉症の人が杉林の近くへ出かけても症状の悪化は見られないという逆説的な現象が見られていましたが、最近は、杉林の近辺の住民にも花粉症の症状が見受けられるようになってきています。

この謎を解くキーワードが、窒素酸化物NOxだと思われます。大気中の窒素酸化物の大部分は一酸化窒素NOと二酸化窒素NO2であり、これらの総和を窒素酸化物と呼んでいます。二酸化窒素は酸性雨や光化学スモッグの原因となったり、また人体へは呼吸器疾患を起こすことが指摘されています。このNOxが、花粉症の発現に大きく関与しています。NOxに暴露して鼻粘膜の感受性が亢進することによって、花粉症の症状が増悪することになります。発生源として、製鉄所、発電所、工場や自動車、船舶、航空機などが挙げられています。とりわけ、自動車の排気ガスの影響が大きいと思われます。このため、杉林の近辺まで自動車道が敷設されるようになったことが杉林近辺での花粉症発症に関与しいていると言えるでしょう。

また、最近の花粉症の患者さんでは、花粉以外にダニ、ハウスダストなどの通年性のアレルゲンに感受性を示す人が増えてきている傾向があります。このため、花粉症の散布だけに過剰に神経質に反応することなく、日々の換気や掃除などを心掛けることが必要と言えます。

一方で、免疫系で大きな役割を担っているリンパ球は、体液性免疫に関与するBリンパ球と細胞性免疫に関与するTリンパ球とに大別されます。特に、Tリンパ球の中でも重要な働きをするヘルパーT細胞には、Th1細胞とTh2細胞とがあります。このうち、前者は癌細胞やウイルス性疾患と関与しており、後者は花粉症などの症状と大きく関わっています。

ここで、抗原を提示する細胞がインターロイキンIL-12を産生するか、プロスタグランディンPGE2を産生するかが、Th1細胞とTh2細胞のどちらが優位になるのかを決定しています。このとき、リノール酸やアラキドン酸の摂取量が多いと、PGE2の産生が過剰に行われ、Th1細胞による細胞性免疫が低下し、発熱期間が長引き、Th2細胞による抗体産生が過剰に行われ、アレルギー反応が惹起されやすくなります。アラキドン酸は牛肉などの動物性タンパク質に多く、リノール酸は代表的な飽和脂肪酸で動物性脂肪に多く含まれています。花粉症対策として、動物性タンパクや脂肪類の摂取を控えめにすることが必要と言えます。

 

 

 

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